アナウンサー志望からエンジニア志望へ。女子大生が進路を大きく変更した理由

エンジニア未経験からの挑戦

若手女性エンジニアの篠山さんは、女子大在学中にアナウンサー志望からエンジニア志望へ大きく進路を変更し、結果、現在は現役エンジニアとして活躍しています。
通常、女子大では大手企業の一般職を目指すのが一般的とされるのですが、そこをあえて「エンジニア」という選択にしたそうです。
では、なぜ、彼女はアナウンサー志望からエンジニア志望へ進路を大きく変更したのでしょうか?女子大生時代に彼女が感じたこととは?

若手女性エンジニアインタビュー(前編)

アナウンサースクールで感じた「実力不足」

――学生時代は何を専攻されていましたか。

社会情報学部 環境学科という、理系の学科に属していました。
生活に密着した研究をしていて、例えばサザエさんファミリーが新たに家をリフォームする場合、どのような家がいいかという研究などです。桜新町の住宅計画を踏まえてどんな家がよいのかを検証し、最終的には模型まで作るというようなこともしました。

そのような研究のために「Excel」や「Illustrator」、「Photoshop」などを使っていたので、最低限のパソコン技術は習得していましたが、理系と言っても、学生時代からエンジニアになる素地を作っていたわけではありませんでした。

――その学部は、どういう職に就く人が多いのでしょうか。

女子大だったので、研究内容とは関係なく、一般職に就く人が多かったです。
私自身は、小学生の頃から夢だったアナウンサーを目指して、大学3年生からすでに就職活動を始めていました。
ただ、うまくはいきませんでした。

アナウンサースクールにも入っていたんですが、周りを見ると自分との実力差は歴然。アナウンサーという職業を表面的にしか把握できておらず、スタートラインにも立てていない自分に気づいたんです。
しかもちょうどリーマンショックの頃で、就職氷河期。採用を縮小したり取りやめたりする企業が多く、どの業界も狭き門でした。
幸い就職活動のスタートが早かったので、みんなの活動が本格化する前に、自分が将来どうなっていたいのかをもう一度見つめ直すことができました。

冷静に自分を見つめ直す

そこで見えてきたのは、自分のイメージにもっとも近いのはアナウンサーのような華やかな世界ではなく、「普通の会社員としての生活」なんだ、ということでした。
さらに喜びを感じるのはどういう時なのか自問した結果、頑張って勉強して得た知識を誰かに伝える時だと、一つの答えが浮かび上がりました。
かつて学校で、「Illustrator」や「Photoshop」を友だちに教えてあげた時、喜んでもらえてとても嬉しかった記憶がよみがえったんです。
アルバイトで後輩にいろいろなノウハウを教えたり、面倒をみたりするのが好きだったことも思い出しました。

若手女性エンジニア

――そこから、就職活動を方向修正していったんですね。

はい。アナウンサーではなく別の仕事にしようと思っている、と相談した際に友人が言った

「手に職をつけるのは大事」

のひとことが、私の琴線に触れました。
かねてから、親にも言われていた言葉。

「手に職さえつけていれば、どの場所でもやっていける。これだ!」

と直感が走ったんです。
このひとことのおかげで、シフトチェンジすることができました。

またその友人は、SEになった先輩を紹介してくれました。
話を聞くと、先輩はプログラマーではなく、マネージャーとしてリーダー的な役割や進捗を管理するような仕事をされていたんです。
エンジニア職の中にはそういう仕事もあるんだ、と目からうろこが落ちる思いでした。
もしかしたら自分がこれまでバイトなどで培ってきたことを活かせるかもしれない、そんな希望を感じました。

アナウンサー志望からエンジニア志望へ

――アナウンサー志望から一変、IT企業への道を模索し始めたんですね。

まずは仕事研究から入りました。
ひと口に「IT業界」と言っても、いろんな分野があります。とにかく業界のことを調べました。
次に、自分の適性をよく見極めようといろいろ検証したり、必要なスキルやステップが何なのかを調べたりもしました。とはいえ、なかなか把握しきれず歯がゆい思いもしました。頭がついていかなくて…。

――自分が実際に身を置いてみて初めて、業界や企業のことを把握できたりするものですもんね。それ以前だと、なかなか全貌をつかめないものですよね。

そうなんです。
だから、できる限り足を使って説明会に出向きました。おそらく50社くらいにコンタクトをとったと思います。
実際は選考会の申し込み時点で断られるケースもあり、書類選考で落とされることも多々。面接までこぎつけることができたのは5社あったかどうか…という感じでした。
とにかく必死で歩いて調べて…の毎日。やれることはすべてやりたいと思っていました。

女子大だったこともあり、周囲は「一般職で別にいいじゃん」という風潮。学校側も「ただでさえ不況なんだから、推薦で一般職を狙えばいいのに」という雰囲気の時代でした。
でも私はかねてから

「自分で発信したり、リーダーシップを発揮したりできるような女性になりたい」

と思っていたんです。だからこそ意志を持って就職活動をしたかった。
それで遠回りしたかもしれませんが、よく考えたうえで決断したことだったので、そこに後悔はありませんでした

SEという職種は、男性・女性、総合職・一般職という垣根がない専門職。将来的にいろんな職種への広がりも感じられて、とても面白いなと思いました。

まとめ

もともとアナウンサー志望だったものの、すぐに自分の実力不足と適正を見極め、進路を大きく変更した決断には非常に驚かされました。一度決めたことを、意固地になって突き進めるのではなく、冷静に見つめ直し、「違う」と判断したら一気に進路を変更する。その決断力と判断力は、優秀なエンジニアにとって重要な素養ではないかと話を聞いていて感じました。

それでは、次回はインタビューの後編。彼女がエンジニアになるまでの苦労と、実際にエンジニアになってみて感じていることを、女性独自の視点から語っていただきました。
ぜひ、ご期待ください。


つづきはこちら

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